写真やビデオ、広告業界を経てアメリカ西海岸のCafeFXで流体のプロジェクトに携わる。
映画 G.I. Joe や The Rise of Cobraでリードエフェクトアーティストを担当。
現在はカナダのモントリオールで働いている。
(2010年9月現在は、務めていたUBIを辞めて独立し、Lagoa開発に従事している。)
Lagoaの良いところは、物体の素材に限定されずにリアルな表現が可能なことである。
見る者によって湿った砂、水、炭の破壊などとも取れる多彩なエフェクトが表現できる。
Lagoaの開発期間は約2年。最初は論文をもとにSPHを実装した。論文の作者であるSimon ClavetさんやStanford大学の研究者Ron Fedkiwさん の意見を聞きながら開発を進めた。
複数の物質表現をひとつの環境で表現出来るよう統合させ、ツールとしても使いやすい実装を行うことは挑戦的であった。つまり、従来のようなアーティストが望む流体表現とプログラマがコードする流体力学といった温度差が生まれないツールをLaogaで実現したかった。
RealFlowを例に取るとCloth専用のソルバ、流体専用のソルバが存在する。Lagoaは、流体ソルバとクロスソルバは同一のソルバであるためパワフルで拡張性が高いものである。つまり、Lagoaは複数のシミュレーションを共存させることやフレームワーク上で独自スキンディフォーメーションをも追加出来る。
実際、布、粒子、流体のシミュレーションには似たメカニズムが存在している。そして、ひとつのソルバで複数のシミュレーションが行えるMultiphysicsは、結果として材質同士のインタラクションの応用性に優れているのだ。Lagoaのユニークなところは、全てのシミュレーション領域にわたり圧力がソルブされていることだ。
Lagoaの名前の由来は、ポルトガル語で小さい池を指す、またThiagoさんの出身地のリオデジャネイロ近くの街の名前らしい。
ICEは、メインのリサーチプラットフォームだ。ICEは、ソルバを実装するのに最高のAPIであり、外部で拡張しながらプロダクションで利用するアプリケーションとして直ぐにポートできる。ICEの優れたところは、プロトタイプから動作確認まで素早く行えることだ。C++のように、コンパイルして実行ではなく試行錯誤出来る。
ちなみにやはり高校時代から天才であり、当時の幾何学の先生は学校で教えられることはこれ以上ないので自分でやりたいことを勉強しなさいと言われたそうだ。
ブラジル時代のアーティストの友達とも交流があり、もともとブラジル時代に刺激を受けアート主体からプログラムを行うスタイルへと友人が導いてくれた。